注文住宅に限らず、住宅(戸建て)の取得についてはさまざまな法令上の制約が考えられます。
建売住宅の場合には、通常、設計の段階で法令に沿った仕様になっています。
注文でも注文内容を精査して設計、施行すべきですが、メーカー、業者によっては「お客さまニーズだから」とリスク面の説明を怠るケースも心配されます。
専門知識がない注文主が最終責任のすべてを負うようなことにならないよう、最低限の「情報武装」が必要です。
土地や建物に関する法規にはどんなものがある?
注文住宅に関する法規要件には様々なものがあり、つくりたい家ができないケースもあります。
敷地面積に対する建築面積の比率を定める「建ぺい率」や延べ床面積の割合を定める「容積率」などが基本です。
このほかにも都市計画による「用途地域」では建物の高さが限定されます。
地域によっては、そもそも住宅を建てることができません。
市街地の中心部など「防火地域」では注文住宅であっても「耐火建築物」など、防火に強い仕様の住宅とすることが求められます。
土地自体がお得価格でも、その後のメンテナンス費用を含めたトータル費用までしっかりと確認しなければなりません。
また、敷地が面する道路幅が4m未満の場合には、道路の中心線から2mの範囲には門などの外構物を含め、設置することができません。
道幅が3mであれば、自分の敷地のうち道路の端から1m以上、空き地のままとする必要があります。
様々な制限を克服しながら注文住宅を建てるコツ
コンパクトな都市部の敷地に注文住宅を建てる場合には、建蔽率や容積率などの制限に負けない家づくりをする必要があります。
建築家と相談して部屋の配置などにも工夫すると、狭小地であっても広々とした住まいを実現できるようになります。
そして住宅密集地で家づくりをする場合には、防火対策なども十分に行うことが大切です。
大都市での注文住宅建築に強いハウスメーカーであれば、耐火性能にも優れた建物を新築することも容易です。
展示場を実際に訪問すると、都市部の敷地に最適な三階建て住宅の実例も見学できます。
一方で高級住宅街の中では、建築協定などのルールに従って建物を施工する義務があります。
保有するマイカーが多い場合には、大型のビルトインガレージがあるプランを選ぶのが理想的です。
確かに制約が多い場合には建築コストも高くなりますが、重厚なつくりによって安心して生活できます。
理想とする注文住宅の設計プランの概要とは
家族一人一人が幸せに暮らせる住まいを実現する上では、間取りなどを自由に決められるプランが役立ちます。
そのために資金と時間に余裕がある人々は、建売よりも注文住宅を選ぶ傾向が強いです。
提案力のある工務店やハウスメーカーを活用すると、コンパクトな敷地でも機能的な設計プランを提示してもらえます。
特に都市部では敷地面積に限りがあるケースが多く、三階建ての注文住宅への需要が大きいです。
更に敷地が変形していたり細長いこともあるので、設計をする場合には建築士の創意工夫も必要になります。
実績が豊富なハウスメーカーを利用すると、低予算でも使いやすい設備が完備した家を建てられます。
一方で家づくりを決断した当初は、施主の多くがプランを具体的に考えることができないのが実情です。
けれどもサポートが充実した工務店を訪れると、家づくりに関わる諸問題も解決できるようになります。
リフォームしやすいプランであれば、子供の成長に合わせて自由自在に改造できます。
オプションにこだわって注文住宅を建築するコツ
理想の住まいへのニーズは多種多様であり、注文住宅の施工を発注する施主のこだわりも強いです。
特に暮らしやすさを重視する場合には、機能的な間取りと断熱性に優れたプランを選ぶことが重要です。
またハウスメーカーの担当者と相談すると、施主の意向が最大限に反映できるようなプランも示してもらえます。
特にオプションを上手に組み合わせることが、イメージする注文住宅に限りなく近づけるコツです。
そして事前に住宅展示場や工事現場を見学すると、理想の住まいの形も具体的になります。
とりわけオプションを追加している人たちが注目するのは、広いリビングルームがある建築プランです。
リビングルームではパーティーを開ける上に、家族のだんらんも実現できるのが魅力です。
様々な設備を追加すると工事費用が高くなりますが、完成した後の満足度もアップします。
したがって注文住宅を新築する場合には、予算が許す範囲内で間取りや設備にこだわるべきです。
注文住宅づくりで後悔しないために、窓の位置をよく考えましょう
注文住宅の建設にあたっては、窓の位置を工夫することで暮らしやすいさや防犯性能を向上させることができます。
一昔前の住宅は窓のサイズが少なく、妥協して窓のサイズを決めていた部分があります。
しかし現在は選択肢が多く、適切なサイズにすることが可能です。
窓の位置を決めるうえで大切なのは窓の役割です。
その窓から庭に出ることがあるのか、換気に使うのか、採光を求めるのかなどの項目ごとにしっかり考えるのです。
外に出る必要がないならば窓の高さは腰から上で十分でしょうし、採光目的ならば光の差し込む位置になければ意味がありません。
風通しは家全体の窓と扉の位置を確認して考えなければなりません。
近年の木造軸組工法は筋交いや耐力壁を使うことで耐震性を向上させています。
そのぶんだけ通し柱の近くなどに窓を設置するのは難しく、限られたスペースに窓を設置することになります。
注文住宅ならば自分たちの好みで決められますから、一つひとつの窓にこだわって行くことが重要です。
間取りを現実的に決めて注文住宅を建築する
注文住宅は、家族の要望を受け入れてくれるという点で理想的なマイホームを手に入れられる可能性がとても高いものです。
確かに、注文住宅では業者がクライアント側の要望を最大限に聞き入れてくれますので、頭の中でイメージが存在する場合にはそれを伝えておくことが非常に重要です。
しかし、クライアント側の要望や理想論だけを追求してしまうと現実的な設計を行うことができなくなるため、注意も必要です。この代表的なものでは、間取りが挙げられます。
そもそも、注文住宅で最も多い失敗例がこのイメージと生活感のかけ離れた現状があるからです。
現実的な設計しておかないと、実際に暮らす生活感が非常に悪いものになってしまう可能性があります。
見た目上は非常に心地よい状態になっていたとしても、現実に生活をするとキッチンやリビング、収納スペースなどの空間で強烈な違和感が生じます。
ですから、必ず現実的に生活をする上で問題なかどうかを検討しなくてはいけません。
まずはどこに建てる?注文住宅用の正しい土地の探し方
注文住宅を行う際は家を建てる土地を決めなければなりません。
その土地の探し方は、まずは住むエリアを決める必要があります。
通勤や通学、住み慣れた場所なのか、新しい新天地でもいいかなどを検討し、大まかなエリアを決めます。
そうしなければ依頼する不動産会社も決めることができず、計画が先に進めません。予算の面も考えて土地を探すことも大切で,いくら資金があって、その分いくら土地に使うかが明確になってきます。
一般的に駅の近くなどの交通の便の良い場所、近くにショッピングモールなどの生活面で便利な場所は値段が高く、郊外になるにつれて安くなる傾向になります。
不動産会社で検討する時でもおよその予算がわかっていると話が進みやすく、これが決まっていないと、予算を超える土地を紹介されたり、予算をオーバーする金額を土地に回すことになり、理想の住宅が建てなくなることもあります。
まずは注文住宅の時にはどこに家や建てるかの土地の探し方を考えることが必要です。
注文住宅を建築するときその基礎部分を大切にしておきたい
注文住宅はハウスメーカーや工務店などで建築できますが、いずれにしても大きな地震に備えなければいけません。
日本は、火山帯の上に列島がありますので、大きい地震が発生する可能性があるわけです。
この場合、注文住宅の建築において基礎部分だけは、しっかりしておかなければいけないわけです。
もちろん他の部分も頑丈な状態になっていることが重要ですが、基礎の部分がいい加減だと結局大きな傾きが起こり得ることがあるだけでなく、住宅自体が壊れてしまう可能性があります。
最近の法律においては、住宅の建築の基準がかなり高まっており、それほど住宅が倒壊するではありません。
しかし傾く事は十分に考えられます。傾いてしまうと、家の中でビー玉を転がすとコロコロとどちらかの方向に行ってしまうため、不安に感じる人も多いでしょう。
それならば最初からしっかりとした住宅建築ができる会社選びが大事になりますので、その点はよく理解しておく必要があります。
注文住宅を木造にするなら工法の種類を理解しよう
注文住宅の魅力といえば、設計の自由度が高いこと。
外観デザインから室内の間取りやインテリア、そして水まわりの設備や外構スペースに至るまで、自分たちの希望通りにプランニングすることが可能です。
しかし理想の注文住宅を実現したいなら、それにふさわしい工法の種類を理解した上で、その工法を得意とする施工会社に依頼しなければなりません。
例えば最もオーソドックスな日本の木造建築を希望する場合、古くから伝わる木造軸組の工法を採用するのが一般的です。
この工法では土台の上から木材の柱や梁そして屋根へと組み上げていき、さらに筋交いで強度を高める点に、構造的な特徴があります。
設計の自由度が高く、幅広い施工会社で対応可能なので、注文住宅にはピッタリと言えます。
もう1つ木造建築で注目したいのが、ツーバイフォー工法です。
これは北米で発祥した外来の木造工法であり、床や天井あるいは屋根の面全体で支えるモノコック構造に特徴があります。
あらかじめ規格化されたパネル状の建材を工場で大量に生産するので、品質の安定性や施工の短期化そして建築コストの軽減など、魅力的なメリットが見られます。
また面で支えるモノコック構造により、優れた断熱性や耐火性そして耐震性も期待できます。
注文住宅は完成してからでないとわからない
建売住宅と注文住宅の違いはたくさんありますが、その中でも大きな違いは「完成してからでないと住みやすさが分からない」ということです。
実際、夢のマイホームを注文住宅で建てて、かなりこだわりぬいて十分な期間をかけて準備したにもかかわらず、いざ完成した家を見て「自分たちが思い描いていたイメージとはかなり違った」という方や、「設計図上では広いと思っていたけども実際に出来上がった家に家具を置いてみたら、ずいぶん狭くなってしまった」という方もおられます。
出来上がってみないと、広さ、快適さ、といったことが分からないというのがデメリットです。
せっかく高い費用と十分な期間をかけたにもかかわらず、そうなってしまうと大変残念な話ですし、住みにくいからといって返却できるものでももう一軒建てる、というわけにもいきません。
それでも、注文住宅には建売住宅にはないメリットもありますので、注文住宅はとてもおすすめの家といえます。
注文住宅は、具体的に決める前にゾーニングで大まかな間取りを考える
注文住宅は、具体的に決める前にゾーニングで大まかな間取りを考えるべきです。
注文住宅は、間取りが自由になると言うことで家族の希望や憧れをどんどん詰め込んでしまうので家の形にならなかったり、予算オーバーになってしまう事が日常茶飯事です。
その為に、部屋の広さや位置を明確に決めてしまうのではなく、大まかな大きさと位置をゾーニングで示して調整するとうまくいきます。
ゾーニングは、スムーズに間取りを決定するのに非常に有効ですが、余程のお金持ち以外は予算を調整する必要があるので家族の希望や憧れに優先順位をつけておくべきです。
注文住宅は、多くの場合が希望や憧れの取捨選択の妥協が続く作業であり、優先順位を決めておかないと打ち合わせが長く多くなるだけでなく、皺寄せが祖父母や母親など自己主張の少ない人に行ってしまいます。
回避する為に、優先順位をリスト化しておくと家族内不和も起こらず、家族が皆喜べる注文住宅が建築できます。
注文住宅の失敗事例を事前に知っておくと便利
夢のマイホームを建てる際に、こだわりがある場合は注文住宅を選ぶと良いでしょう。
戸建住宅は土地と建物がセットで比較的購入しやすい金額設定になっていますが、基本的に内装デザインは変更できません。
注文住宅ならば工務店やハウスメーカーによっては完全自由設計なので、すみずみまで自分の希望を通すことが出来ます。
注文住宅を建てる際に事前に知っておくと良いのは、失敗事例です。
例として2つ紹介します。
まず1つ目に、すっきりとした見た目を重視したキッチンです。
人が遊びに来た時も生活感を見せたくないということで、扉を設置して電化製品を外から見えなくしました。
しかし、人が来ないときはいちいち電化製品を取り出すのが面倒ということで、今は普通の食器棚として使われています。
2つ目に、ウォークインクローゼットです。憧れのデザインという人もいるでしょうが、収納量が少ないうえに奥の方にしまった服を取り出すのが面倒で、必要がなかったという意見も多いです。
こだわりが住みにくさを生んでしまうとがっかりするので、じっくり考えて間取りを決めましょう。